今週の例会

第10回 10月6日(月)

会長の時間

 種苗業界のお話をします。マスコミと世論が森友学園問題一色となっているとき、日本の伝統と食卓を守ってきた法律を改正する「種子法の廃止」法案が承認。昨年4月1日、種子法は廃止されました。種子法とは、国が農業団体や農家と共に守ってきた法律であり、消費者としても純日本産の米を安定した価格で取り扱い食べることが出来てきました。主要法の廃止は、聖域とされてきた穀物の種子の自由化宣言であり、国内外の民間会社が自由に「米、麦、大豆」の種子ビジネスに参入することを意味します。

 世界の食料事情は、過去には、食糧も人口も安定的に増えてきましたが、この120年間、食料を必要とする人口が15億人から70億人に急速に増えています。原因として、医療の進歩により寿命が長くなったこと、食料はこれまでより入手しやすく(食料自給率が下がる)かつてないほど食べ物へのレパートリーが増え(高級志向)なってきているからです。又、中国やインドなど急速に発展中の国々があります。こういった国々の人たちがより裕福になるにつれ、今までよりさらに多くの穀物・食料だけではなく、タンパク質となる牛、鶏、豚などの家畜生産が増え飼料が必要となってきます。今後も需要増加は非常に大きくなると想定されます。又、先進国と発展途上国の農業生産者における農業技術上の大きな格差があり、今後、人口が最も急増しているアフリカとアジアでの農業生産の技術改善。社会的基盤や地域格差の改善が求められています。世界が必要としているのは単に食料の増産だけではなく、栄養価が高く優れた食料も必要とされています。農業生産者は生産力を高め環境のニーズに合った食糧の開発と栽培法を見つけだす必要があるのです。

 世界的に食料不足(高騰)が想定される背景の中で、日本では種苗の自由化、国内外の民間企業の参入が進められています。今後は急速に食糧生産性の向上と農業技術の変革が進むことでしょう。そこで業界でも話題になるのが生産物の遺伝子組み換え技術やゲノム編集技術の進行です。海外の種苗会社はその技術も優れ農業にも導入しています。日本では食べ物への遺伝子組み換え品種の導入は禁止されていますが、ゲノム編集品種の導入は明確にその取扱いを明記されていません。ゲノム編集も遺伝子組み換えも、結果としては「自然発生的には起こらない生命現象」をつくるという点では同じです。「ゲノム編集は遺伝子組み換えではない」が通れば、それを抜け道にしてゲノム編集食品が出回り、食料であっても表示せずに消費者にはまったく知らせないということになりかねません。今後の日本では特に米生産での海外種苗企業が参入、ゲノム編集品種の導入の可能性が高くなるでしょう。そして私の職業である国内の種苗業界では、生産現場での技術革新に取り残されないよう、業界としても変化することを求められています。

例会の様子

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