今週の例会

第31回 5月15日(月)

会長の時間

新経営者保証が4月からスタートしました。豊和銀行をはじめ10行以上の銀行などが融資の際に原則、経営者保証を求めないことを表明しました。中小企業の事業展開や事業承継の妨げになっている経営者保証の解除を促すことを目的としています。

経営者保証は、日本でスタートアップが育たない一つの大きな要因です。「会社が潰れて一家が路頭に迷う」というのが日本の事業失敗のストーリーですが、アメリカでは、4回も会社を潰した人物が大統領に昇り詰めるくらい失敗が許容されるのが当たり前です。経営の規律づけの効果は、経営者保証にはありますが、それ以上に、「事業の失敗=人生の失敗」という縛られ方は、日本の成長機会を奪う大きな弊害をもたらしています。事業に失敗すると経営者は自宅不動産や私財を失い破産に追い込まれます。これが思い切った事業転換や再挑戦の妨げとなっているほか、起業をためらう一因です。先代から経営者保証を引き継ぐ心理的ハードルから事業承継を拒むなど企業の新陳代謝が進まない原因にもなります。

銀行融資は経営者保証の慣行が続きましたが、今後は企業の持つ成長性などを正しく評価し、経営者保証に頼らなくても融資ができるように与信能力を高める必要があります。社長個人の私的な飲食費等を会社の経費にしているなど法人と個人が分離されていない中小企業に改善を促すことも重要になります。これから、失敗を恐れずに再チャレンジできる環境ができることを期待します。

例会の様子

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